事象の地平線

漫画家サクヤカイシの、頑張り屋で怠け者な毎日です。

「その鉄塔に男達はいるという」

先日編集部に原稿を持っていった直後、行ってきました(毎回よくやるよな我ながら!苦笑)青山円形劇場。
(本当は25日に観劇の予定でしたが流石に間に合わず…チケット引き取ってくれたお友達、本当にありがとうございました。)


さて物語は、ミニシアター系ヨーロッパ映画の趣きでした。
観ていて思い出した映画は「ライフイズビューティフル」そして「白バラの祈り〜ゾフィー・ショル最期の日々〜」でした。

きっかけは子供じみた反抗心からくる行動であり、やがてそれが命をかけた信念へと昇華するあたりは特に、「白バラの祈り」を彷彿とさせます。
「戦争」の中で(心身両方の意で)閉鎖空間におかれた人間たちの心理描写は、一連の迫害・レジスタンス映画に通じるものもありました。

この芝居の切り口の新しいのはここに、2種類のコメディ要素を取り入れた事でしょう。
ひとつは狂気の裏返しであるヒステリックな。
そしてもうひとつは純朴で思わず笑みがこぼれるような。

重すぎても軽すぎてもいけない絶妙なバランスを維持しつつ、物語はクライマックスまで進みます。
あらゆる全てが演者に「丸投げ」状態の芝居でしたが(場面転換以外ではBGMもほとんど無し)、5人とも素晴らしい演技を見せてくれました。

中でも個人的に賞賛をおくりたいのは、小暮役の黒川薫氏です。上岡(鷲尾)と笹倉(上原)が水の事で言い争う場面の後、上岡を追いつつ笹倉と吉村(土屋)に投げつける侮蔑の視線と皮肉を込めた台詞など、ここぞという時にスパイスのきいた演技を披露してくれました。
クライマックスで立ち上がる場面は特に素晴らしい。「本当に足が震えて立てないのでは?」と思うほどで、演技である事を忘れ固唾をのんで見ていました。

私が観た回(28日)は、*pnish*二人のクライマックスの演技がやや緩かったような気がしました。
ただそれは演技というよりも、集中力の問題のような…あまり言うと意地悪になりますね。ごめんなさい(苦笑)。
でも頑張ってる鷲尾氏と土屋氏が見れたので、とても嬉しかったのですよ。

鷲尾氏はここ数ヶ月で急速に、表情の演技が良くなって来たと思います。上原氏と言い争う場面での鬼気迫る感じもとても良かった。正直、常々「わっしーの演技には気迫が足らない…」と思っていたので、その部分の成長が見て取れたのは本当に嬉しかったです。
…ただ気を抜く(?)と動作(特に足!!)がわっしーになってしまうところが困ったな〜と思いながら観ていました。(本当に困ったね…苦笑(^_^;)
土屋氏は上記バランスのまさに支柱ポジションの役柄でした。あれっこれは大変そうだぞ…とラスト間近になってようやく気付いたのですが(ごめんなさい…)。余裕オーラを感じなかったのは、役作りのせいだけじゃなさそう?物語の均衡を両肩に抱えつつの演技をやり遂げたのは土屋氏だからこそでしょう。お疲れ様でした。

観に行って良かった、と思えるお芝居でした。


*pnish*としては次に本公演「サムライモード」が控えていますね。
去年は目標を見失ったまま「シークレットボックス」「on6」を強行突破した感が否めない彼ら。
中途半端な現在の状況を打破し、方向性を見極めるためのプロデュース公演だった…と思いたいです。

パワーは充分に感じました。
今後については…頑張っているのはわかるし、とても苦しいだろうけれど、それでもどうか更に頑張ってくれ、と祈る気持ちです。
  1. 2008/05/01(木) 23:06:56|
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